Active Directoryには様々なオブジェクトがあります。
一般的なオブジェクトとしては、ユーザー、グループ、コンピュータ、OUなどがよく使われると思います。
その中の「OU」ですが、似た役割のオブジェクトとして「コンテナ」があります。
どちらもユーザー、グループ、コンピュータなどのオブジェクトを格納するものですが、「OU」と「コンテナ」には明確な違いがあります。
下記のフォルダのようなアイコンが「コンテナ」、フォルダのようなアイコンにさらに何か入ってるアイコンが「OU」です。
1.OUについて
OUは「組織単位」とも呼ばれるように、企業の部署や部門ごとにユーザーやコンピューターを管理するための入れ物のようなオブジェクトです。
OUの中にさらにOUを作成し、ツリー構造にすることも可能です。
OUのプロパティは下記の通りです。
2.コンテナについて
コンテナは役割としてはOUと同じオブジェクトの入れ物です。
よく使われるのは、「Users」やコンピューターがドメイン参加後デフォルトで格納される「Computers」などがあります。
下記のプロパティを見て分かる通り、OUとは設定項目が全く違います。
3.OUとコンテナの違いについて
OUとコンテナの大きな違いとして、下記の3つがあります。
3.1.作成方法について
OUは「ユーザーとコンピューターの管理」で新規作成することが出来ます。
しかし、コンテナはデフォルトで存在するものだけで、新たに作成することは出来ません。
3.2.GPOの適用対象について
OUは企業の部署や部門ごとで作成し、部署ごとに異なるGPOを適用したりすることが可能です。
しかし、コンテナはGPOを適用することは出来ませんので、GPOを運用したい場合、管理オブジェクトはOU一択になります。
下記の通り、GPOの適用先にはOUのみしか表示されません。
3.3.DistinguishedNameについて
「DistinguishedName」とは識別名と呼ばれる、オブジェクトを示すものです。
PowerShellでADのオブジェクトを操作する場合、この「DistinguishedName」が必要になります。
例えば、「liglog」というOUの識別名は「OU=liglog,DC=intra,DC=lig-log,DC=com」です。
一方、「Users」というコンテナの識別名は「CN=Users,DC=intra,DC=lig-log,DC=com」です。
コンテナは「CN」となることに注意してください。
OUとコンテナの違いについては以上です。
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