オンプレシステムをクラウドに移行する段階では、AADCサーバーを利用してADとAzure ADを同期する必要があります。
クラウドへの移行完了後、オンプレADを廃止することが出来ますが、その場合はAzure ADの同期IDをクラウドIDに変更する必要があります。
クラウドIDに変更するにはAADCの同期を解除する必要があります。
今回はAADCの同期を解除する手順について紹介します。
1.Azure ADへの接続
Azure ADのPowerShellには、Graph用とWindows PowerShell用モジュールがありますが、今回はWindows PowerShell用を利用します。
接続手順については下記をご覧ください。
Office 365 への PowerShell 接続について
2.同期設定と同期状態の確認(解除前)
同期を解除する前に現在の同期設定と同期状態を確認します。
下記のコマンドで現在の同期設定と状態を確認します。
Get-MsolCompanyInformation | fl DirectorySynchronizationEnabled,DirectorySynchronizationStatus
同期設定と状態が有効になっていることを確認します。
DirectorySynchronizationEnabled : True
DirectorySynchronizationStatus : Enabled
3.同期の解除
それでは同期を解除します。
下記のコマンドで同期を無効化します。
※コマンド実行の確認が表示されたら「Y」で実行します。
Set-MsolDirSyncEnabled -EnableDirSync $false
コマンド実行後、エラーが表示されないことを確認します。
4.同期設定と同期状態の確認(解除後)
同期を解除後、再度同期設定と同期状態を確認します。
下記のコマンドで現在の同期設定と状態を確認します。
Get-MsolCompanyInformation | fl DirectorySynchronizationEnabled,DirectorySynchronizationStatus
同期設定が無効になっていること、同期状態の無効化がペンディングになっていることを確認します。
※完全な無効化が完了するまで最大72時間かかります
DirectorySynchronizationEnabled : False
DirectorySynchronizationStatus : PendingDisabled
72時間後に再確認すると、同期状態も無効になっていることが確認出来ます。
DirectorySynchronizationEnabled : False
DirectorySynchronizationStatus : Disabled
5.AADCサーバーの削除
AADCの同期を解除しても、Azure AD Connect HealthにAADCサーバーの情報が残っているのでサーバー情報を削除します。
1.Azure Active Directory管理センターにログインします。
2.Azure AD Connectをクリックし、同期が無効になっていることを確認します。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-01-1024x703.png)
3.下にスクロールし、「Azure AD Connect Health」をクリックします。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-02-1024x763.png)
4.「同期サービス」をクリックし、対象ドメインをクリックします。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-03-1024x273.png)
5.「Azure Active Directory Connect Servers」をクリックします。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-04-729x1024.png)
6.削除対象のサーバーをクリックします。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-05-1024x408.png)
7.「Delete」をクリックします。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-06-1024x1010.png)
8.「TYPE THE SERVER NAME」にホスト名を入力し、「削除」をクリックします。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-07-748x1024.png)
9.AADCサーバーが削除されたことを確認します。
![](https://lig-log.com/wp-content/uploads/2021/09/desynchronize-azure-ad-connect-08-1024x406.png)
最後に同期IDがクラウドIDに変更されたことを確認してください。
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